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配管の接合手順

1. 切断

切断写真

銅管の切断は管軸に対して直角に、しかも変形しないように切断し、切断面 のバリ取りを十分に行います。

ご注意

銅管用カッターを使用し、ノコ刃による切断は避けてください。

2. 被覆の除去

被覆の除去写真

ヴィックリムケールを用いて、管端から50~60mm程度、被覆材を除去します。
(JVタイプ60mm、JPタイプ50mm) JVタイプ施工の際、電気ろう付機をご使用の場合は、20~30mmだけ除去します。

3. バリ取り

バリ取り写真

銅管切断面のバリまくれを除去します。

4. 管端修正

管端修正写真

切断面が変形した場合は、サイジングツールを使用し、真円になるように矯正します。

ご注意(管端修正を怠った場合)

1.
はんだが管内に侵入しやすくなる。

詳細説明図

2.

管内の流れを乱し、保護皮膜の生成を妨げることで腐食の原因となり、水漏れが起きることがある。

詳細説明図

5. 接合面のみがき

接合面のみがき写真

管の外面およびメス側の継手、バルブなどの内面 に付着している油脂などのスケール除去を確実に行ってください。

6. フラックスの塗布

フラックスの塗布写真

管端から3~5mm離して継手の差し込み代Gの長さ分薄く均一に塗布します。

詳細説明図

ご注意

管、継手、バルブ類の内面 へのフラックス塗布は避けてください。

継手寸法 継手最小
差し込み代
Gmm

継手最小

差し込み代

Hmm

8A 1/4B 8 3
10A 3/8B 9 3
15A 1/2B 11 3
20A 3/4B 17 5
25A 1B 21 5
32A 1 1/4B 24 5

7. 銅管挿入

銅管挿入写真

管銅管を継手類の受け止めに当たるまで確実に挿入し、フラックスが一様にまわるように、挿入後1~2回銅管を回転させてから止めてください。

8. 加熱

加熱図

250℃で融け始めるので、はんだ付けは300℃くらいで行います。加熱しすぎると、フラックスが炭化してはんだがまわらないことがあります。

ご注意

はんだ付部のよごれおよび酸化防止のための炎は○印のように当てる。(急激に加熱するとフラックスが銅管内面に飛散し、腐食の原因となる。

詳細説明図

9. はんだ付け

はんだ付け写真

1.
はんだの不足による強度の低下をきたさない。(外フィレットの形成を確認する。)
2.
はんだに直接炎を当て、接合面 に盛合わせによる接合は避けてください。(母材を加熱し、毛細血管現象を利用した接合を行います。)
3.
コンクリートなどの床へのころがし配管や、床につけて立ち上がり配管する場合、接合部は床から浮かせて接合し、炎を当てた反対側からはんだを差すようにします。

ご注意

呼称
(インチ)
継手の
最大径
mm
銅管の
最小内径
mm
最大
隙間
mm
最大接合
部深さ
mm
継手寸法
重さ(g) 長さ(mm)
3/8 12.84 12.76 0.17 11 0.28 12
1/2 16.03 15.85 0.18 13 0.43 20
3/4 22.39 22.19 0.20 19 0.99 40
1 28.79 28.54 0.25 23 1.91 80
1 1/4 35.14 34.88 0.26 26 2.86 120

10. 弁類、ユニオンなどのはんだ付け

弁類、ユニオンなどのはんだ付け図

1.
弁類のはんだ付けは、開の状態のままで行います。
2.
弁類のはんだ付けは、原則として、水平状態で接合します。
3.
締め切り部がメタルタッチになっている継手や弁類などは、締め付け状態で接合を行います。ただし、加熱による損傷が起こる部品が内蔵されたものについては除きます。

11. はんだ付けの跡の処理

はんだ付けの跡の処理写真

1.
はんだ付け後、接合面を急に冷やさない。
2.
徐冷後、濡れた布などで接合面の酸化物、フラックスを除去し、きれいにふきとります。また、水を含ませた布は定期的に取り替えるか、きれいに洗ったものを使用します。

ご注意(冷やす順序)

はんだ付け部の離れた部分から冷やしていく。詳細説明図

12. ワンタッチカバーの取り付け

ワンタッチカバーの取り付け写真

1.
ヴィックチューブ専用のワンタッチカバーを取り付け、ビニールテープを巻いて仕上げます。
2.
JVタイプの場合、図のようにあらかじめ被覆材を30~40mm程度銅管に被せてください。

試験

水圧試験

  1. 検査に使用する圧力計は、検査圧力に見合ったものとし、十分信頼できる計器を使用し、配管のみを水圧試験する場合は、10~17.5kgf/cm2間の圧力で行います。
  2. 水圧試験器(テストポンプ)は、常に整備点検し、機能に支障のないことを確認してから使用します。
  3. 全箇所目視および触感検査を行います。
    (注)
    水圧試験は保温工事完了前に行い、はんだ付け箇所を目視および手で触って、水が漏れていないかを必ず確認してください。
  4. 管内面の酸化物やフラックスは、通水テスト時に洗浄して清掃します。

空気圧試験

  1. 配管途中で心配がある場合。
  2. 多量な水が得られなかった場合。
  3. 水がこぼれると他に与える影響が大きいか、水抜きが難しい場合。

つぶれ等のチェック

銅管は、管厚が鋼管に比べて薄く、また柔らかく、特に軟質銅管はこの傾向が強いので、加工性、施工性がよい反面 、つぶれたり、傷つきやすいという性質を持っています。このため、配管後には異常がないか確認を行ってください。

留意点

銅管の加工硬化

軟質銅管を何回も曲げたり伸ばしたり加工を繰り返すと、銅管は硬くなり曲げにくくなるので、なるべく一度の曲げ作業で済むようにします。

軟質銅管を急激に無理して曲げると座屈します

座屈した銅管は、必ずその部分を切り取って、新しい銅管と交換してください。 座屈したままの銅管を使用すると、将来水漏れが起こる原因となるので、注意してください。

呼称
(インチ)
手曲げ
半径

パイプベンダー

1/2 250R 以上 80R
3/4 350R 以上 150R