「製品の高性能、高機能化」と「材料の革新」そして「生産技術の高度化」。
従来のコア技術に加え、将来の技術動向を見極めながらこれらの技術を融合し
お客様のニーズにお応えする高機能・高品質な銅管の開発に努めます。
冷熱機器に使われる銅管には、長年、強度や加工性、耐食性に優れる「りん脱酸銅管」が使われてきました。しかし、社会環境は大きな変革期を迎えています。
日本は2050年カーボンニュートラルを宣言しました。この目標に向け、エネルギーの転換や、省エネルギー化の施策が進められています。
例えば、エコキュート※は、化石燃料を使用せず、エネルギー効率も高いため、着実に普及が進んでいます。エコキュートには自然冷媒のCO2が使われています。CO2は作動圧力が高いため、銅管を厚肉化する必要がありますが、一方で、銅価は高騰しており、銅の使用量を減らすために、強度の高い銅管が求められます。
また、エアコンに使われるフロン系冷媒は、CO2の数百~数千倍の温室効果ガスであり、冷媒の漏れ防止も大きな課題です。銅管は耐食性に優れていますが、使用環境によっては、さらに高い耐食性が求められることがあります。
KMCTグループでは、業界に先駆けて冷熱機器・給水給湯用の銅合金開発に取り組み、微量の元素を添加することで、りん脱酸銅の長所を生かしつつ高強度、高耐食性を実現する新しい技術分野を切り拓いてきました。これら銅合金管と新たな製品開発で、社会とお客様のニーズに応えてまいります。
※エコキュートは関西電力の登録商標です。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」
名 称 | 機能 | 特徴 | |
---|---|---|---|
高強度 | MA5J | 高強度性 | 微量なCoを添加、析出硬化による強度アップ |
KHRT | 耐熱・高強度性 | Snの固溶強化による耐熱強度の向上 | |
HRS35LT | 耐熱・高強度性 | Coの析出硬化による耐熱強度アップ | |
高耐食 | ピコレス | 耐孔食性 耐スケール付着性 |
上水のⅡ型孔食対策 (Ⅰ型孔食には被覆銅管で低残留カーボン処理品) スケール付着問題の対策 |
KALT | 耐蟻の巣状腐食性 | 有機酸系腐食媒による蟻の巣状腐食に効果 |
名 称 | 化学成分(wt%) | |||||||
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Cu | P | Co | Sn | Zr | Zn | Ni | Mn | |
MA5J | 99.90 以上 |
0.020 ~ 0.040 | 0.040 ~ 0.050 | - | - | - | - | - |
KHRT | 99.20 以上 |
0.015 ~ 0.040 | - | 0.58 ~ 0.72 | - | - | - | - |
HRS35LT | 99.40 以上 |
0.046 ~ 0.062 | 0.16 ~ 0.21 | 0.07 ~ 0.12 | - | 0.02 ~ 0.10 | 0.02 ~ 0.06 | - |
ピコレス | 99.55 以上 |
0.015 ~ 0.040 | - | 0.24 ~ 0.30 | 0.03 ~ 0.05 | - | - | - |
KALT | 残部 | 0.004 ~ 0.012 | - | - | - | - | - | 0.80 ~ 1.20 |